民主党に言っておきたい。
民主党の中に、前原・長島ら集団的自衛権行使容認派がいたと
しても、今回の安保法制の混乱状態で、「立憲主義」の立場で
与党を批判し、「廃案」を目指したことは、良かったのである。
対案を出すべきだったのではと、悩む必要はない。
権力者が憲法を守る気がないという本心を晒せば、憲法改正
する資格すら失ってしまう。
今後は民主党こそが憲法改正を主張する信頼を得たという
ことになる。
「我々は立憲主義を守る立場として、憲法改正をしたい」
民主党はそう言えば良い。
憲法9条擁護と、「立憲主義」は違う。
今後はこの二つを同義にして議論する者を批判しなければ
ならない。
今回の安保法制論議では、「立憲主義」か「集団的自衛権」か
の板挟みがあったのだが、やはり合憲の根拠が砂川判決しか
なかったという点で、自公の手口には無理があった。
集団的自衛権を認めるには、憲法改正が必要だったと、
民主党は学べばよい。
ただし、今後は一旦成立した法制を「廃止」するという公約
だけは絶対に掲げてはならない。
一旦成立した法制は、これを根拠に米国との信頼関係を築く
ことになる。
外交の一貫性は国際常識として必要だ。
辺野古移設で進んでいた問題を、「少なくとも県外」にして、
結局、「辺野古しかなかった」に戻ってしまい、国民からも、
米国からも、信用を失った鳩山由紀夫の二の舞は避けるべきだ。
民主党は安保法制に関しては一部修正くらいにしておくべきで、
基本的に国防を真剣に考えていないデモ隊などに、これ以上、
関わってはならない。
反対のための反対では、結局、旧社会党に後退して、民主党は
政権交代可能な政党ではなくなってしまう。
真剣に民主制を機能させる気がある者なら、民主党に安保法制
の「廃止」など求めるはずがない。
民主党の沈没こそが民主制の危機である。
民主党議員は今こそ、若者デモを過剰に持ち上げる大馬鹿な
マスコミに惑わされず、大人の対応をしてもらいたい。